エシカルファッションによく用いられる生地の素材をまとめます

エシカルファッションによく用いられる生地の素材をまとめます

エシカルファッションは、環境への負荷を軽減し、社会的な影響を考慮した衣料品の生産と消費を目指す動きです。

各ブランドが工夫を凝らして素材を選定しているのですが、この記事ではエシカルファッションで特によく用いられる素材について詳しく解説します。

目次

  1. オーガニックコットン
  2. リサイクルポリエステル
  3. ヘンプ
  4. リネン
  5. バンブー
  6. テンセル
  7. アヘン麻
  8. ピニャテックス
  9. アップサイクルドファブリック
  10. アヒダス

オーガニックコットン

オーガニックコットンは、農薬や化学肥料を使用せずに栽培されるコットンのことです。通常のコットン栽培では、大量の農薬や水を使用するため、環境への負荷が大きくなります。しかし、オーガニックコットンは有機農法に基づいて栽培されるため、地球環境や農業労働者の健康を保護することができます。

  • メリット:
    • 肌触りが柔らかく快適。
    • 通気性が良く、吸湿性に優れている。
    • 農薬や化学肥料を使用せずに栽培されているため、肌への刺激やアレルギーのリスクが低い。
  • デメリット:
    • 比較的高価である場合がある。
    • 染料の定着性が低く、色落ちしやすいことがある。

リサイクルポリエステル

リサイクルポリエステルは、廃棄物や使用済みプラスチックボトルから再生されたポリエステル繊維のことです。プラスチック廃棄物の処理は地球環境に深刻な問題をもたらしていますが、リサイクルポリエステルの使用により、廃棄物の削減と資源の有効活用が実現されます。

    • メリット:
      • プラスチックボトルなどのリサイクルから作られるため、資源の再利用に貢献する。
      • 耐久性があり、シワになりにくい。
    • デメリット:
      • 高温での洗濯や乾燥機の使用により、繊維が劣化する可能性がある。
      • 静電気が起きやすく、毛羽立ちが生じることがある。

ヘンプ

ヘンプは、麻の一種であり、持続可能な素材として注目されています。ヘンプの栽培には、通常の綿やリネンと比較して少ない水と農薬が必要です。また、ヘンプは天然の抗菌性や耐久性を持ち、繊維の強度も高いため、衣料品に適した素材とされています。

  • メリット:
    • 強度があり、耐久性が高いため、長持ちする。
    • 繊維が通気性に優れており、肌の呼吸を促す。
  • デメリット:
    • 初期の柔らかさに欠けるため、最初は硬く感じられることがある。
    • 染料の定着性が低いため、色落ちしやすい場合がある。

リネン

リネンは、亜麻の繊維から作られる素材であり、エシカルファッションにおいてもよく用いられます。リネンの特徴は、水を節約しながら栽培できることです。また、リネンは丈夫で長持ちし、通気性が良いため、快適な着心地を提供します。

  • メリット:
    • 快適な通気性があり、涼しげな着心地を提供する。
    • 吸湿性に優れており、汗を素早く吸収する。
  • デメリット:
    • しわになりやすく、アイロンが必要な場合がある。
    • 毛羽立ちが生じやすく、毛玉ができることがある。

バンブー

バンブーは、急速に成長する竹の一種であり、持続可能な素材として注目されています。バンブーの栽培には、農薬や化学肥料の使用がほとんど不要であり、水も比較的少量で済みます。また、バンブー繊維は吸湿性に優れており、肌触りも柔らかいため、衣料品に適しています。

  • メリット:
    • 柔らかで滑らかな肌触りがあり、快適な着心地を提供する。
    • 天然の抗菌性があり、嫌な臭いの発生を抑える。
  • デメリット:
    • 繊維の加工過程で化学物質が使用されることがあるため、生産方法によっては環境への影響が懸念される。
    • 繊維がやや脆く、摩擦による損傷が生じることがある。

テンセル

テンセルは、再生可能な木材パルプから製造されます。木材はサステイナブルな森林管理から取得され、製造プロセスにおいては、有害な溶剤を使用せずに水ベースの溶剤を使用します。また、テンセルは生分解性がありますので、廃棄された場合には環境への影響が軽減されます。さらに、テンセルは柔らかで肌触りが良く、吸湿性と速乾性にも優れています。

  • メリット:
    • 柔らかで滑らかな肌触りがあり、肌に優しい。
    • 水分を吸収しやすく、速乾性がある。
  • デメリット:
    • 高温での洗濯や乾燥機の使用により、繊維が劣化する可能性がある。
    • 染色に使用する染料によっては環境への影響がある場合がある。

アヘン麻

この素材はアヘンポピーという植物から抽出され、その残渣を再利用して作られます。そのため、アヘン麻は廃棄物を減らすために利用されるエコフレンドリーな選択肢です。高い吸湿性を持ち、通気性にも優れています。ただし、アヘン麻は比較的硬い繊維ですので、初めはしっかりとした質感があります。

  • メリット:
    • 強度があり、耐久性が高いため、長持ちする。
    • 通気性が優れており、暑い季節でも快適に着用できる。
  • デメリット:
    • 初めのうちは硬い質感があり、洗濯や使用によって柔らかさが増すまで時間がかかることがある。
    • シワになりやすいため、アイロンが必要な場合がある。

ピニャテックス

ピニャテックスは、パイナップルの廃棄物から作られる素材で、廃棄物の削減と資源の効率的な利用が可能になります。柔らかな質感を持ち、通気性に優れています。自然な風合いや繊維の特性が魅力です。ただし、製造プロセスが複雑でコストがかかることがあり、製品の耐久性には限界があるため、取り扱いには注意が必要です。

  • メリット:
    • パイナップルの葉を再利用した素材であり、持続可能な選択肢となる。
    • 柔らかで肌触りが良く、吸湿性に優れる。
  • デメリット:
    • まだ比較的新しい素材であるため、入手性や商品のバリエーションが限られることがある。
    • 高温での洗濯や強い摩擦により、繊維が損傷することがある。

アップサイクルドファブリック

アップサイクルドファブリックは、使用済みの素材や廃棄物を再利用して作られる素材です。エシカルファッションの観点からは、資源の節約や廃棄物の削減に貢献することが重要です。

  • メリット:
    • 使用済みの素材や製品を再利用して作られるため、資源の節約に寄与する。
    • 独特の風合いやデザインがあり、個性的なアイテムが多く存在する。
  • デメリット:
    • 素材の特性やデザインによっては、他の素材と比べて価格が高くなることがある。
    • 製品ごとに異なるため、取り扱いやケア方法が異なることがある。

アヒダス

エシカルファッションにおけるアヒダスの利点は、伝統的な技術と文化の継承を支援し、モロッコの地域経済に貢献することです。ただし、動物の皮を使用しているため、動物福祉や持続可能な資源管理の観点から議論があります。

  • メリット:
    • 持続可能な材料であるアヒダス(アガベ)を使用しているため、環境への影響が少ない。
    • 耐久性があり、長く使える。
  • デメリット:
    • 染色によるカラーバリエーションが限られている場合がある。
    • 柔らかさに欠けるため、初めは硬い質感が感じられることがある。
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